膝のトラブルを抱えた方へ!かかとから床につくように歩きましょう

鍼灸師 布野

こんにちは布野です!

本日は複数の整形外科で勤務し、膝関節症に強い指導医の元で学んできた布野が、
膝関節症の人に必ずお伝えするセルフケアのポイントです。

現在も整形外科でも働く布野…

膝のお悩みを本当に多く拝見します。遭遇しない日はない位です。

このブログを開いたあなたは膝の問題にお悩みではないですか?

ここで、膝関節症の疫学を改めて確認してみましょう。

目次

膝関節症とは??

膝痛

日本では人口の約20~30%が潜在的にこの病気にかかっていると言われています。

年齢とともに患者数が増加し、60歳以上の人口の80%以上で変形性関節症の所見がみられますが、

女性が特に多く、60歳以上では男性の約1.5~2倍の罹患しやすいとされています。

つまりこれをまとめると、そもそも少なくとも4人に1人が膝の症状を訴えますが、60歳以上の女性がその60%以上を占めている…ということになります。

鍼灸師 種市

女性の困りごとですね、子育ても終わり自由になったと思ったら膝が..

鍼灸師 布野

そうなんです!せっかく家事育児から解放されて自分の時間ができたのに

鍼灸師 種市

これはなんとかしてあげたいですね!!!

女性特有の、閉経後のホルモンバランスや、肥満や糖尿病などのメタボリック症候群、認知障害がリスク因子とされていますが、

布野の経験上、大腿四頭筋力の低下・特に内側の筋肉の萎縮が大きな要因であるように感じます。


⇨膝の変形の原因の多くは内側広筋の萎縮です!!


膝関節症のエクササイズ・セルフケアについて

以下で、膝関節症の人に施術後必ずお伝えするセルフケアを書いていきますが、

何よりもまず重要なのは、医師による診断です。

明らかに軽症であると自己判断できる場合を除き、特に患部に熱感や腫れが見られる場合は、まずお近くの整形外科への受診をおすすめします。

膝関節症のセルフケア「マッスルセッティング」と「かかと歩き」

さて、本題に入りますが

膝関節症のセルフケアは大きく分けて二つ

・膝のマッスルセッティング
・かかと歩き

です。

・膝のマッスルセッティングについては以前インスタグラムで紹介させていただきました。

本日は「踵歩き」について紹介させていただきます。

踵歩きはその名も通り、歩くときに踵から歩くことです。

特に中高年の方で年齢重ねた人ほど、背中が曲がり円背と呼ばれる姿勢になる傾向がありますが、

これにより、重心が前に倒れやすくなり、自然と足を上げる角度が困難になります

鍼灸師 布野

試しにやってみましょう。

まず普通に歩いてみてください。その後極端に前傾姿勢になり、

同じように歩いてみましょう。足が上がりにくいことを感じるはずです!

これが中高年の腰下肢の筋の萎縮を助長させる要因の一つですが、

膝関節症の原因である内側の四頭筋の萎縮に大きく関わります。

Quadriceps muscle and quads leg muscular or bone anatomy outline diagram. Labeled educational medical scheme with vastus intermedius, medialis, lateralis or rectus femoris location vector illustration

なぜなら四頭筋は膝関節の伸展をする単関節筋と、股関節の屈曲も行う直筋により構成されますが、膝関節の角度により関与する筋肉が異なるからです。

可動域がバイオメカニクス的に制限された身体では特定の筋肉が機能しづらくなり、慢性的な出力低下となりますが、特にこの内側の筋肉は膝を最大に伸展した時に働く筋肉なのです!

かかとから歩くことは、そういった傾向にストップをかけます。

確かに円背が既にかなり進行し、そもそも踵から歩くと後ろに倒れそうになる!といった方がすぐに取り組むことは困難ですが、

そういった方でも、姿勢に問題からは自由ではありません。

軽度の膝関節症は膝の筋肉の萎縮から生じますが、

それには踵から歩くという刺激が有効である…ということがお分かりいただけましたでしょうか?


かかとから歩くことにはもう一つ、重要なメリットがあります。

それは痛みの問題を抑えることです。

意外でしたでしょうか?

痛い時は、動かない。とても当たり前なことのように思えるからです。

しかし、現代の整形外科領域のガイドラインでは、多くの疼痛の問題において、安静の推奨度は決して高くはなく、必要なケアを受けたのちは早期に動くことが推奨されています。

それは歩くことに代表されるような軽度の運動がセロトニンや、エンドルフィンなどの脳内ホルモンの分泌を促し、炎症や痛みを抑えることが多くの研究で、明らかになってきたからです。

例えば少し汗ばむ程度の早歩きは、”PCG-1a“という物質を筋肉内で作ります。

この物質は、血管を拡張させ、血流を促進する作用を持っていて、全身の循環をよくしているのですが、”PCG-1a”はかるい炎症を抑える力もあります。

このことは、例えばデンマークの心臓病専門医であるPeter Schohr氏の行った研究でも明らかです。

彼は1976年からの35年間、20-93歳の約20000人を対象とした長期の追跡調査で、少し汗ばむ程度の早歩きが、男女における死亡リスクを44%低下させたと報告しています。

確かに、いま現在、痛みに悩んでいるとちょっとした運動もハードルが高いように思えてしまいます。

実はかかとから歩くと、自然と膝の伸展する力が入りかえって膝スラストを防止し、踵設地する時の膝へのストレスを軽減してくれます。

おまけに歩幅が広くなり、速度が速くなることで、
有酸素運動の負荷も向上し、良い循環が生まれます。

私はこのアドバイスを多くの膝関節症の人に伝えてきましたが、

実践する人ほど、回復が目に見えて早いことを実感しております。

まだまだ膝関節症については書ききれないことがたくさんありますが、

かかと歩き」についての話は以上になります。

膝関節症に悩まれる方、またはご家族にそういった方がいらっしゃって

当院の治療をご検討の方の目に止まれば幸いに存じます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次