連載 自律神経シリーズ vol.0

鍼灸師 布野

皆さんこんにちは!東洋医学を科学するBodyRemaker布野 聡一朗です

先日以下の記事で当院で行う自律神経治療についてご紹介させていただきました。

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テレビでも紹介された!当院で行う”自律神経の治療” 自律神経が乱れると耳鳴り・めまい・突発性難聴・睡眠障害・食いしばり・ 疲れやすい、便秘、または下痢や軟便など消化器症状などが出現します。そんな時こそ鍼灸治療で自律神経を整えませんか??

この記事で、鍼灸の適応疾患について軽く触れて

エビデンスの出ていないものでも鍼灸治療は介入対象にすることがあること

それを自律神経というタームで説明することがあるということ

しかし実際には自律神経のメカニズムは複雑であり、それを日々の臨床の中で

鍼灸の治療機序として説明することには注意が必要であること

などを述べさせていただきました。

目次

自律神経シリーズ連載開始

今後こちらのブログでは、これらの事項についてそれぞれ深堀りをさせていただいて

自律神経シリーズとして連載することを検討しております。

それというのも、本当は「鍼灸で自律神経が整う」というときに、理解しておくべき事項はたくさんあるのですが、

一例を挙げると

①鍼灸治療は何に効果があるのか?=適応疾患は何か?
②鍼灸が効果があるとするエビデンスや機序はどういったものなのか=適応疾患の理由
③それを述べている研究論文(または団体)はどこか?そのメディアは信じられるのか?

などがあるのですが、

例えば鍼灸が自律神経に効果ありとする場合、②適応疾患の機序に自律神経系を当てはめることになります。

そうなると、下位項目として自律神経系の基礎研究と臨床研究の把握が少なくとも必要になってきます。

そのためには鍼灸治療の研究との照らし合わせも必要だし、他の治療法との対照研究の把握も必要です。

鍼灸師 植田

む…難しい!!

鍼灸師 竹原

自律神経…勉強しなきゃ!!

さて、残念ながら、鍼灸師は国家資格ではありますが、鍼灸師養成のためのカリキュラムでそれらについて十分に教育されているとは言い難い現状があります。詰め込み教育で暗記的に教えて、テストを受けさせておしまい。教員ですら、ちゃんと質問に答えられないということもしばしばなのです。

これは憂慮すべき状況です。

市井の治療院でも、多くは治療院のホームページに適応疾患のリストが免罪符のように貼ってある程度で、その適応疾患について説明を求められても答えられない鍼灸師が大多数だと思われます。しかもその適応疾患がWHOによるものなのかNIHによるものなのか、日本のガイドラインによるものなのか、本当に鍼灸治療のガイドラインなのかも曖昧なまま…

神経系神経痛(三叉、肋間、坐骨など)、頭痛、歯痛、ヘルペス、顔面神経麻痺、しびれなど
運動器系五十肩、むち打ち症、頸肩腕症候群、腰痛症、ギックリ腰、椎間板ヘルニア、変形性膝関節症、関節炎、リウマチ、肩こり、寝ちがい、筋肉痛、捻挫、テニス肘、腱鞘炎など
消化器系胃炎、胃下垂症、胃酸過多症、胃痙攣、胃・十二指腸潰瘍、口内炎、慢性肝炎、胆石症、慢性腸炎、便秘、下痢、痔疾など
循環器系高血圧症、低血圧症、心臓神経症、動悸、浮腫、冷え性など
内分泌系糖尿病、甲状腺機能障害、痛風など
呼吸器系風邪、扁桃炎、咽頭炎、気管支炎、喘息、咳など
泌尿器系慢性腎炎、膀胱炎、ネフローゼ、前立腺肥大など
感覚器系眼精疲労、仮性近視、白内障、鼻炎、副鼻腔炎、耳鳴り、メニエール症候群、めまいなど
婦人科系生理痛、月経異常、乳腺症、更年期障害、冷え、のぼせ、つわりなど
小児科系小児喘息、夜尿症、夜泣き、かんの虫、消化不良、虚弱など
その他自律神経失調、不眠症、ストレス性疾患、心身症、アレルギー、アトピー性皮膚炎、慢性疲労、成人病の予防など
https://harikyu-tokyo.or.jp/general/indication
鍼灸師 種市

このガイドラインって「効果が出た」ではなくて「期待できる」だけなんですよね…

鍼灸師 布野

WHOのガイドラインが全てではないので、鍼灸師一人一人がきちんと考えないといけませんね!

ややこしいのは、エビデンスがなくとも効果のあるセラピーや代替医療は本当にたくさんあるし、それによって救われている人もやはり一定数いるということです。

その点でエビデンスレベルが厳密でありすぎても、ドクターとしては良くても、一般の患者さんの参考にはならないこともあります。これが鍼灸治療のエビデンス化を難しくしている要因の一つと言えるでしょう。

一方で、様々な研究機関や大学、個人の鍼灸師がこの問題について議論し、解決を目指しています。
当院にとっても鍼灸治療のエビデンス化というコンセプトに準じるものですし、

鍼灸治療を受けたいけど、不安…という皆様が、安心して受けていただくための参考となればと思って、連載記事を書かせていただこうと思います。

なるべく噛み砕いて書いていこうと思いますが、多少専門的な内容も含まれてしまうかもしれません。

ただ、少なくとも当院のこのブログに辿り着いてくださった方は、鍼灸治療に関心がある方だと思います。そして鍼灸治療とは実際にどんな治療法なのか、鍼という刺激が身体にもたらす効果とはいったいどんなものか、受ける前に、受けた後に知りたい、納得したいという方だと思います。

私もまだまだ勉強中の身ですので、一緒に並走するつもりで文章にしていきたいと思います。

わからない点があれば、コメント欄にメッセージをくださっても構いません。

喜んで返信させていただきます。

それでは、鍼灸治療と自律神経治療?のあやしくも、面白い関係について一緒に探究していきましょう。

布野

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