筋膜リリースと慢性肩こりの関係性
慢性的な肩こりは辛いですよね。何もしなくても肩が痛い。
少し動かせばダルい。薬を飲んでも効かない。病院に行っても診断は
明確にはされない。そんな風な慢性肩こりに悩んでいる方は多いと思います。では、そもそも慢性肩こりとはどういう原因で起こるのか?
そして、慢性肩こりに効果が期待できる筋膜リリース。
しかし世の中の筋膜リリースは全く効果が出ていない…?
この記事を読めばなぜ慢性肩こりが起きるのかを理解できます!そうすれば自分の体はどんな場所で改善するのかが見えてくるはずです。
乳酸が出ることにより血中のPHが酸性に傾き痛み(だるさ)を引き起こしてしまいます。 これが慢性的な肩こりの痛みの始まりです。
目次
慢性肩こりは酸欠が原因
筋肉は呼吸しています。 と言われてもピンと来ないかもしれません。 では 血液は酸素を筋肉に運び二酸化炭素を肺へと運ぶ と言ったらなんとなく分かりませんか? 呼吸は酸素を吸って二酸化炭素を吐きます。 肺→血液→組織→血液→肺 という順番で酸素が肺から組織へと運ばれて 組織でエネルギーを生み出すために酸素を利用し エネルギーの代謝として生み出された二酸化炭素を 血液に乗せて肺へと運んでいきます。 この過程を内呼吸と言います。 普通の呼吸は外呼吸です。 では単純な話をします。 今から息を2時間止めてもらえますか? え!? 死んじゃうよ!?って思いますよね。 その思いをあなたの肩はしているのです!! 慢性的な肩こりの理由は肩の筋肉に酸素が十分に回らないことにより 酸欠を引き起こし、PH値・発痛物質の分泌・筋膜の癒着による神経への持続刺激など痛みを誘発する要因を引き起こしてしまうのです。そもそも筋肉ってどうやって呼吸してるの?
筋肉の呼吸に必ず必要な要素として血液が関与してきます。 そのため、世間一般のマッサージなどでは血液の流れが悪いと… なんて話をよく聞くと思います。 筋肉が呼吸するにはポンピングが必要になります。 イメージして欲しいのは汚れたスポンジを綺麗にする感じです。 スポンジ→筋肉 汚れた水→静脈血 綺麗な水→動脈血 ではスポンジが汚れました。 綺麗にしたいです。 まずはスポンジの中にある汚れた水をどうにかしたい。 スポンジをぎゅーっと絞って汚れた水を外に出します。 今度は綺麗な水に浸してフワッとスポンジを離せば中に綺麗な水が入ってきます。 これを繰り返せばスポンジ内部の汚れは綺麗になります! つまり筋肉も同じことです。 収縮することで静脈血を排出し弛緩することで動脈血を流入させます。 これで筋肉が呼吸しているイメージは掴めましたか?ずっと息を止めてたら筋肉は大変です!
ここで話は慢性肩こりに戻ります。 肩こりの原因にデスクワークがよくあがってきます。 長時間の同一姿勢によるものということですね。 PCなどの作業中はずっと肩の筋肉は腕を支えています。 あまり動かないでずっと支えています。 何時間も頑張ってます…2時間PCに集中したらなんだか肩が凝っている… 肩の筋肉は2時間もの間に少ない酸素で頑張ってくれてたのです! 人は呼吸を止めたら生命維持に支障が出てしまいますが 筋肉はポンピングをしなくても細胞の生命維持に直結はしません。 だって心臓がポンピングしてくれてますからね! でも心臓の力だけでは満足にいきません。なのでたまに動脈血(酸素)は届いていません。でもそこは人体の神秘です! 酸素を使わない呼吸法が細胞ではできるのです! しかし、この呼吸法はとんでもないデメリットを抱えています…酸素を使わない細胞の呼吸(嫌気呼吸解糖系)
酸素が無ければ糖を使えば良いじゃない! という名言がありそうでないですが、そういうことです。 酸素ではなく細胞内に取り込んだグルコースを利用したエネルギーの生成方法です。 しかもエネルギーが出来上がるまでの速度が100倍ほど早いと言われており激しい運動の時は活発になります。 あれ?ここまでの話を聞いたら嫌気呼吸は結構良いじゃない! なんて思ったあなた。甘々ですよ! 美味い話には必ず裏があります! 嫌気呼吸で得られるエネルギーは2だけ 酸素を使う呼吸(好気呼吸)では12も!ピルビン酸はアセチルCoAとなり、オキサロ酢酸と結合してTCA回路に入る。TCA回路に入ったアセチルCoAは最終的にはCO2と8分子のHに分解される。TCA回路自体が作り出したH分子は電子伝達系でO2と結合し、ATPと水(H2O)が産生される 出典:https://www.kango-roo.com/learning/1615/ より引用さらに嫌気呼吸の代謝では乳酸が出ます
乳酸が出ることにより血中のPHが酸性に傾き痛み(だるさ)を引き起こしてしまいます。 これが慢性的な肩こりの痛みの始まりです。
慢性的になると癒着する
呼吸ができない環境の話をしました。 呼吸ができないとATP(エネルギー)効率の悪い呼吸をしてしまうということですね。 それが長く続いてしまうとどんどん筋肉がダメージを抱えていきます。 最も深刻なモノで表現すると「床ずれ」ですね。正式名称は褥瘡といい寝たきりの方がずっと圧迫をかけてしまうとどんどん組織の壊死が起こってしまうというモノです。 慢性的な症状は一応は血液の流入はありますが、満足に血液の循環はできていない状況です。 そうなると組織より小さな単位である細胞がどんどん死んでいきます。 細胞が壊れると中に含んでいるイオンが血中に分泌され、それが痛みを誘発する物質を呼んでしまいます。 この痛みを誘発する物質は人間の防御機構なので体を治すために警告を出しています。 痛みが出たらそこを治すために様々な因子が放出されるのですが フィブリンという組織をくっつける接着剤がまた厄介なのです。 これもまたイメージをして欲しいのですが 破れた紙を接着剤でくっつける時にどうやってくっつけますか? 断面図に丁寧に接着剤をつけてはやらないですよね? 紙同士を少し重ねて接着剤をつけて止めると思います。 はい、ここで気づいちゃいましたね。 これが「癒着」です。 本来はくっついてはいけないものをくっつけてしまいます。 オーバーラップと言い組織回復の際にはこういうことが多々起こってしまうのです。癒着と筋膜リリース
やっと癒着までたどり着いたのlで今度は筋膜リリースの話です。 筋膜はミルフィーユのように層になっています。簡単に説明をすると表皮 真皮 皮下脂肪(PAFS) 浅筋膜 潤滑性脂肪(LAFS) 疎性結合層 深筋膜 筋肉
というような感じですね。 皆さんのいう筋膜は浅筋膜から筋肉をざっくりイメージしているかと思います。 このミルフィーユには各層の間にクリームではありませんが、様々な組織が入り込んでいます。 自由神経終末・毛細血管・リンパ・膠原繊維(コラーゲン)・弾性繊維(エラスチン)・間質液(ヒアルロン酸)など様々です。 組織のどこの層が癒着を引き起こしたかにより出る症状が変わってきてしまいます。 この層の癒着を剥がしていくのが筋膜リリースのイメージなのです! ここで気づいて欲しいのが 筋膜リリースのイメージなのです。 という言葉ですね。 世の中にある様々な筋膜リリース、そのすべてに疑問を持たなくてはいけません。 大事なのは 本当にリリース(剥がす)ことはできているの? ということなのです。 ここからは長くなるので また具体的な方法は別の記事にて。